『胡蝶の夢』に囚われて ― 夢か現か幻か ―
46 ◇ため息が零れ落ちる
里穂の帰りを待つこと、1時間余り『今から警察署を出るところ』だとLINEが
入る。
TikTokの配信内容を見たあとでは、この部屋に帰ってきた里穂とどんな顔で
接すればいいのか。
電車の駅に着いたら迎えに行くからもう一度連絡をするようにと、俺は折り返し
彼女へ連絡を入れた。
迎えに行き、この部屋の前まで送り届けたらそのまま帰ろう、そんな風に
決めて……。
何をどう話せばいいのか、慰める言葉も見つからなくて。
この先2人の過ごす時間が決して良い方向には向かいそうもない。
楽しい時間にならないことは明白で、最悪はくだらないことを問い詰めたり
する可能性だってある。
50分後里穂から着いたよLINEが届き、駅に向かう。
「お疲れ~」
「ありがとう。迎えに来てもらってごめんね。でも助かった~」
「送り届けたら、そのまま俺帰るわ」
「うん、なんか今日はアッシーしてもらってごめんね。
でも達也がいてくれたから、私、警察へ相談に行けたと思う。
ここからは、自分で彼らに連絡してどうにかしないといけないみたいだから、
しばらく連絡できないけど、落ち着いたらまた連絡するわ」
「そうだな。元気出せよ」
「うん、ほんと助かった。送ってくれてありがとうね。じゃ」
「あぁ、また」
ハイツの前で里穂は車から降りて、元気なく敷地へと入っていった。
俺は、彼女が見えなくなってから車を発進させた。
彼女のことは心配ではあるが、それとともに悩ましいところもある。
TikTokの配信を見なければ良かったのか──
見て良かったのか、本当に悩まし過ぎる。
別のことなら、もっと力になってやれたかもしれないが。
『はぁ~』
思わず口からため息が零れ落ちた。
それは──
彼女を元気づけられない不甲斐ない自分に対するため息でもあり、どこかで
彼女に対して非難めいた感情に囚われている自分に対するため息でもあった。
里穂の帰りを待つこと、1時間余り『今から警察署を出るところ』だとLINEが
入る。
TikTokの配信内容を見たあとでは、この部屋に帰ってきた里穂とどんな顔で
接すればいいのか。
電車の駅に着いたら迎えに行くからもう一度連絡をするようにと、俺は折り返し
彼女へ連絡を入れた。
迎えに行き、この部屋の前まで送り届けたらそのまま帰ろう、そんな風に
決めて……。
何をどう話せばいいのか、慰める言葉も見つからなくて。
この先2人の過ごす時間が決して良い方向には向かいそうもない。
楽しい時間にならないことは明白で、最悪はくだらないことを問い詰めたり
する可能性だってある。
50分後里穂から着いたよLINEが届き、駅に向かう。
「お疲れ~」
「ありがとう。迎えに来てもらってごめんね。でも助かった~」
「送り届けたら、そのまま俺帰るわ」
「うん、なんか今日はアッシーしてもらってごめんね。
でも達也がいてくれたから、私、警察へ相談に行けたと思う。
ここからは、自分で彼らに連絡してどうにかしないといけないみたいだから、
しばらく連絡できないけど、落ち着いたらまた連絡するわ」
「そうだな。元気出せよ」
「うん、ほんと助かった。送ってくれてありがとうね。じゃ」
「あぁ、また」
ハイツの前で里穂は車から降りて、元気なく敷地へと入っていった。
俺は、彼女が見えなくなってから車を発進させた。
彼女のことは心配ではあるが、それとともに悩ましいところもある。
TikTokの配信を見なければ良かったのか──
見て良かったのか、本当に悩まし過ぎる。
別のことなら、もっと力になってやれたかもしれないが。
『はぁ~』
思わず口からため息が零れ落ちた。
それは──
彼女を元気づけられない不甲斐ない自分に対するため息でもあり、どこかで
彼女に対して非難めいた感情に囚われている自分に対するため息でもあった。


