離婚届を渡された契約妻ですが、罪を抱えたエリート外科医の愛が重すぎます
「ようやく自分から継ごうという気になってくれたんだものね。病院のこと、これまでみたいに距離を置くんじゃなくて。遥さんと結婚して病院を継ぐって言ってくれたときは嬉しかったわ。――期待してるのよ、真裕」
「……ああ」
真裕の返事は、極限まで感情のこもらない簡素なものだったが、それでも佳代子は満足したらしい。嬉しそうに口元を緩めて、別の話題へと移っていった。
それを合図に人々の注目も遥や真裕から離れていき、それぞれの会話に再び花を咲かせる。
ようやく食事を再開することのできた遥は、周囲で飛び交う楽しげなおしゃべりを無難な笑みでやり過ごしながら、たった今繰り広げられたやりとりの意味を考えていた。
自分から継ごうという気になった。これまで距離を置いていた。
――真裕さんが?
遥はそこに、妙な引っかかりを覚える。佳代子の言い方ではまるで、真裕に選択権があったように聞こえるからだ。それまではあとを継ぐことを拒んでいたけれど、結婚を機に意志を翻した、というふうに。
――見合いのときの真裕さんの言い方では一貫して、家の方針にやむを得ず従うというニュアンスだった気がするけれど……
「……ああ」
真裕の返事は、極限まで感情のこもらない簡素なものだったが、それでも佳代子は満足したらしい。嬉しそうに口元を緩めて、別の話題へと移っていった。
それを合図に人々の注目も遥や真裕から離れていき、それぞれの会話に再び花を咲かせる。
ようやく食事を再開することのできた遥は、周囲で飛び交う楽しげなおしゃべりを無難な笑みでやり過ごしながら、たった今繰り広げられたやりとりの意味を考えていた。
自分から継ごうという気になった。これまで距離を置いていた。
――真裕さんが?
遥はそこに、妙な引っかかりを覚える。佳代子の言い方ではまるで、真裕に選択権があったように聞こえるからだ。それまではあとを継ぐことを拒んでいたけれど、結婚を機に意志を翻した、というふうに。
――見合いのときの真裕さんの言い方では一貫して、家の方針にやむを得ず従うというニュアンスだった気がするけれど……