隠れドS系御曹司は一目惚れで結ばれた彼女を溺愛して逃さない
「はい。分かっています」

 今度は泰雅が説教を受ける番になってしまった。ここはおとなしく聞いておくしかない。

「だったら、僕の味方をしてくれてもいいんじゃないのかな? それとも、自分には彼女がいるからって、関係ないとでも思っているとか? 泰雅に限ってそんなことはないよね」

「別れたから……いない」 

「はっ? 別れたって?」

「随分と前にね。白状すると……同じだよ。そう簡単に相手は見つからないってことだよな」

 これからどう口撃をしていこうかと耽々と狙っていた矢先に、いきなり消沈したように告白されては、さすがの羽琉矢もこれ以上の毒舌は吐けなかった。

「分かってくれればいいよ」

 特殊な悩みを抱える二人には、相手を探すだけでも困難に思える。
 この先、自分に相応しいと思える女性が現れるのだろうか。一抹の不安を覚える彼らでもあった。

「なあ、羽琉矢。お前はもう少し外に出た方がいいと思う。今年に入ってから家に籠りっぱなしだろ? それじゃあ、出会いなんてあるわけないし、祖母様が心配して、見合いを勧めるのも仕方がないと思う」

 考え込んでいた泰雅がポツリと口を開いた。

「泰雅は?」

「俺は大学があるし、お前に比べたら出会いはいっぱいあるから」

「……」

 泰雅の言いたいこともわかる。自分のことを心配してくれていることも。だが、気は進まない。

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