エリート社長の密かな純愛〜身籠り初夜から始まる極上な甘い罠〜
はじまりは。
「……社長。お耳に入れたい、大切なご報告があります」
手汗で湿ったスカートの裾を、ちぎれんばかりの力でぎゅっと握りしめる。
心臓がうるさいくらいに脈打っていて、自分の声が震えていないか必死で確かめた。
───目の前の豪華な椅子に座るのは、冴島(さえじま)彗(けい)。
この若さで会社を率いる、冷酷無比と恐れられるエリート社長。
そして───私の、お腹の子供の父親だ。
(どうして、あんなことになっちゃったんだろう……)
数ヶ月前のあの夜。
お酒の勢いだったとはいえ、私のような地味な平社員が、こんな雲の上の存在の男と一夜を共にしてしまった。
それだけでも私の人生最大のパニックだったのに、まさか検査薬の陽性反応を見る日が来るなんて。
『大丈夫、私だってまともな大人なんだから。ひとりで育てていく覚悟を決めて、ちゃんと報告して、会社を辞めて迷惑をかけないようにすればいいだけ』
ここに来るまで、脳内で何百回もシミュレーションした。
彼には輝かしい未来がある。
私とお腹の子が、彼の足を引っ張る存在になってはいけない。
拒絶される覚悟は、もうとっくにできている───はずだった。

