エリート社長の密かな純愛〜身籠り初夜から始まる極上な甘い罠〜
────お腹にそっと手を当てる。
ここにいる赤ちゃんも、きっと急な環境の変化にびっくりしているに違いない。
「いつまでそこに突っ立ってる。汚い部屋じゃあるまいし、さっさと入って座れ」
すると、背後から、低く冷徹な───だけどどこか心地のいい声が降ってきた。
振り返ると、上着のジャケットを脱ぎ、ワイシャツの袖を無造作に捲り上げた彗さんが立っている。
ネクタイを少し緩めるその仕草だけで、大人の色気がこれでもかと溢れていて、社内の女子社員が見たら卒倒しそうなほど絵になる姿だ。
「あ、あの! 冴島社長。やっぱり私、自分のアパートに帰った方が───」
「却下だと言ったはずだ。お前は物覚えまで悪いのか?」
あまりにも申し訳なくて自分から帰ろうと提案すると、ソファに深く腰掛けた彗さんが、切れ長の目で私を鋭く睨みつける。
そのあまりにも冷酷な視線に、私は思わず首をすくめた。
……会社での冷酷無比な社長そのものの態度だ。
(やっぱり、子供ができた責任感だけで、本当は私みたいな地味な女が転がり込んできて迷惑なんだろうか……。)