グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
新居は、森の小さな館だ。
トーマスと母親が使用人として、メリッサが時折来て、クレルに料理を教えてくれる。
リーフェスト公は、相変わらず、「愛している」なんて一言も言わない。
ただ、彼が出かける時に、クレルが頭のつむじ部分を軽くポンポン叩くのが、習慣になっている。
そうすると、おまじないの効果か、リーフェスト公は安心した顔で出かけていく。
1年後・・・二人の間に、女の子が生まれた。
はちみつ色の髪と、父親ゆずりの美しい濃いエメラルドグリーンの瞳を持っている。
グリフォンは護衛犬ではなく、子守犬になった。
時折、クレルとリーフェスト公と娘の3人で、森に遊びに行く。
娘はグリフォンの背中に乗るのが、お気に入りだ。
リーフェスト公は、自分の娘の事を、「私の小さな女神さま」と呼んで溺愛している。
そして彼の護衛を、グリフォンの子どもたちが務めている。
犬たちと馬が、草原をはしゃぐように走り回っている。
「あ・・・」
クレルはお腹に手をあてた。
2番目のこどもが、お腹を蹴ったのだ。
そして、空にむかって祈りを捧げた。
父オーギュストと、母ミルラに、この幸せを伝えてください。
元気な赤ちゃんが、産まれますように。
おわり
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勝ち残った者のイストワールが歴史であり、負けた者、世に入れなかった者のイストワールが物語なのではあるまいか
降旗康男
浅田次郎の小説「闇の花道」(文庫本)の「解説」から。
引用 2022.11.10朝日新聞 折々のことば 2553 鷲田精一 著
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