グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
ベッドはパッチワークのカバーがかけられており、床のラグも羊の毛でざっくりと織ってある。

鏡台や衝立も木工細工で、簡素なつくりだ。

「1階は居間と台所、応接間があります」

「あなたのお名前は・・・?」

口数の少ない御者に、クレルは声をかけた。

「はい、トーマスといいます。俺と母親はあそこの家に住んでおります」

トーマスは2階の窓から見える、小さな家を指さした。

「ここは、リーフェスト公様のお家になるのですか?」

クレルはさりげなく聞いた。

「はい、狩猟の時にお使いになるくらいで、普段はめったにお見えになりません」

窓からは、山が幾重にも連なっているのが見える。

「あの山の向こうは、もう隣の国なのですか?」

「はい、そうです。
村の者は、羊を連れていくとか、きのこや山草も取れるのでよく行きます。
山向こうにも、親戚がいるので」

クレルは、山波を目で追った。

「案外、近いのですね」

確か、現国王の妃は隣国の皇女だ。

政略結婚・・・だろうか。

「馬なら半日もかかりません。村の者は近道を使うので」

トーマスは日焼けした素朴な顔に、笑みを浮かべた。

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