御曹司ですが、日本で恋活します


 今も花火を見ながらその可愛らしい癖がたまに出ている。
 自分の事をジッと見つめている私に気付いたジンさんは、うん?と言って私の顔を見つめる。

「俺の顔に何か付いてる?」

「い、いえ、付いてないです」

 真っ赤になっている私の顔を見て、ジンさんは笑った。
 そして、また頭上の花火を見上げる。

「こうやって日本の夏の風物詩の花火を見て、着物を着た可愛いここちゃんが隣にいて、日本独特の時間が流れてて…」

 真剣な表情でそう話すジンさんの優しい声が、私の心の奥に響き渡る。

「俺、日本が好きだわ。
 分かってはいたけど、改めて確信した。
 ここちゃんみたいな日本的なマインドを持った子と知り合えて、なおさら日本が大好きになった」

 私は褒められているのかもしれないけれどあまり嬉しくない。
 私の中では、私という名前の日本人の女の子として好きと聞こえるから。

「ジンさん、こういうのを浴衣マジックっていうんですよ」


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