辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
前世では、とある企業で営業として働いていた。人当たりのよさと、相手の望むものを瞬時に察する能力から、取引先からの信頼度は高かったように覚えている。
二十代になった頃に相次いで両親を失い、それからは両親が遺してくれた家で一人生きてきた。
それなりに親しい友人はいても、家族も、親戚もいない天涯孤独の身。会社で倒れて、そのまま病院に運ばれた。
最後に見上げたのは病院の天井だ。会社で倒れたのは不幸中の幸いだっただろう。腐乱死体で見つかるということにならなくて本当によかった。
(有用なスキルだったら、それはもう持ち上げるんだろうし……大切にされているのはわかるんだけど、さ)
白いフリルのついたシャツ、仕立てのいい黒の上着、黒の半ズボンはサスペンダーでつっている。レースのついた靴下にエナメルの靴。幼児に着せるには、ちと堅苦しすぎやしないか。
もっとも、貴族の息子だからこんなものだと言われてしまえばそれまでである。
「さあ、教会に行くぞ」
「はい、父上」
ラプハート辺境伯である父は、三人の息子を大切にしている。三十代前半の彼は、貴族として最も脂が乗っている頃だ。
二十代になった頃に相次いで両親を失い、それからは両親が遺してくれた家で一人生きてきた。
それなりに親しい友人はいても、家族も、親戚もいない天涯孤独の身。会社で倒れて、そのまま病院に運ばれた。
最後に見上げたのは病院の天井だ。会社で倒れたのは不幸中の幸いだっただろう。腐乱死体で見つかるということにならなくて本当によかった。
(有用なスキルだったら、それはもう持ち上げるんだろうし……大切にされているのはわかるんだけど、さ)
白いフリルのついたシャツ、仕立てのいい黒の上着、黒の半ズボンはサスペンダーでつっている。レースのついた靴下にエナメルの靴。幼児に着せるには、ちと堅苦しすぎやしないか。
もっとも、貴族の息子だからこんなものだと言われてしまえばそれまでである。
「さあ、教会に行くぞ」
「はい、父上」
ラプハート辺境伯である父は、三人の息子を大切にしている。三十代前半の彼は、貴族として最も脂が乗っている頃だ。