辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「そこで、私はこの者を皇宮で教育することとした。一定の教育が終われば、領主として存分に働かせようと思っている」
「このような子供ですぞ? 他の者に、領地を与えてはいかがですか?」

 と、声をあげたのは、トーリの右後方にいる男性だった。振り返って顔を確認したい欲求に襲われるが、今、それがまずいことぐらいはわかる。

「この者はみずから私のもとに保護を求めてきたのだ。領地を取り上げてどうする? そなた、私を暴君にしたいのか?」

 対するリュディアの声音に交ざっているのは嘲りの色だろうか。彼女と出会ってから初めて、こんな声を出すのを聞いた。

「いえ、とんでもございません。失礼いたしました……!」

 リュディアに言われたとたん、貴族は自分の意見をひっこめてしまった。
 どうやら、この場でリュディアを説得するほどの強い意志はなかったようだ。それからリュディアは、トーリについて説明した。
 トーリのスキルは、他のテイムとは少し違う。魔物だけではなく、精霊とも意志の疎通ができると聞いて、皆、驚いたようだった。
< 104 / 266 >

この作品をシェア

pagetop