辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「それより、問題はこっちだよね。ラウガルトさん、急ごう」

 貴族の領地で何が起こっているのかわからない。トーリが行ったところで、事態の解決を図ることができるのかも。
 でも、行ってみなければ何もわからない。

「馬車を出さなくていいのか?」
「野営するわけじゃないからいいよ。ガイスト、よろしくね」

 トーリは乗馬はできないが、ガイストならば乗れる。馬車に乗るより早く行動できるので、ガイストに乗ることを選んだ。
『任せろ、友よ。そこの馬はなかなか腹が座っていていいな』

 とガイストが誉めたのはラウガルトの愛馬だ。ガイストに敵意がないのを理解しているのか、怯えた様子など見せていない。
『我が、行ったことがある場所ならば。すぐに行けたのだがな』

「緊急事態には、ガイストの力を借りるよ!」

 一度行ったことがある場所ならば、ガイストは影を使って戻ることができる。でも、帝国の人々には当面ガイストの能力は秘密にしておきたい。帰りも、同じようにして戻ってくることになるだろう。

 到着した貴族の領地は、南にあることから皇宮よりもずっと暑かった。トーリは、視線を巡らせる。

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