辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「あー、植物も元気なくなってるね……」
「ここまで天気が厳しいのは珍しい。異常と言っても過言ではない。トーリ殿、もし原因がわかるのであれば……」

 トーリを招き入れた領主は、腰が低かった。トーリの能力を信じているのかどうかは定かではないが、皇帝から送られてきた人材に失礼な態度を取るつもりがなさそうなのはありがたい。

「……うん、そうだね」

 領地に入った時から、トーリ自身、何かピリピリとするものを感じていた。まるで、トーリを見定めようとしているかのような視線。
 それが、人間のものではないのもわかる。悲しいことに、人間の悪意ある視線には皇宮ですっかり慣らされてしまった。
『坊主、ちょっといいか?』

 と、声をかけてきたのはキヴィだ。精霊も暑さを感じるのかどうかは知らないけれど、今は馬車の陰でのんびりとしていた。
『この地の精霊が、坊主と話をしたがっている』

「精霊が? 僕で大丈夫かな?」

 誓約を結んでいるキヴィ以外の精霊とも、話ができるとは思っていなかった。今までキヴィを除いては、トーリに積極的に話しかけてきた精霊はいなかったし。
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