辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
『坊主だから、話したがっているんだ。どうだ?』

「うん。僕でよかったら、お話を聞くよ」

 キヴィがそう言うぐらいだから、トーリに対して悪意を持っている相手ではないだろう。それに、この地のことは、この地で暮らす人達に聞くのが一番いい。

「ラウガルトさん、ちょっと行ってきてもいいかな?」
「もちろんですとも。ただ、私がお守りできるところまでお供するのを許していただきたい」

 護衛としてこの地に来たラウガルトとしては、トーリから離れるわけにはいかないようだ。彼から仕事を取り上げるつもりもないので、トーリもそれに了承する。
 話をしたいと言った精霊は、トーリ達が立っている畑から少し奥に行ったところで待っているそうだ。先に話をしてきたキヴィの案内で、その場所へと向かう。

「……なんだろ、これ」
「祠……のようなものでしょうか」

 トーリの視線の前にあるのは、崩れた石のような何かだった。自然にできたものではない。きちんと切り出され、何かの形に作られていたのは、直線的な切り口からわかる。
『精霊の友よ、来てくれて感謝する。精霊と話のできる者も数を減らしてしまったからな』

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