辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 こちらの国に、トーリの身内はいない。誰かをエスコートする機会なんてないだろうと思っていたら、家庭教師の先生は小さく笑った。
 リュディアも昔教わっていたという初老の女性だが、トーリには母親のように接することもある。きっと、子供の頃のリュディアも彼女にたくさん甘えていたのだろうと思わせてくれる相手だ。

「エルヴィ嬢をエスコートすることになるかもしれませんよ。エルヴィ嬢はお友達でしょう?」
「あ、そっか。そうだった……エルヴィちゃん!」

 ラウガルトの娘エルヴィとは、時々お手紙の交換をしている。あの日から会ってはいないが、たしかにトーリと同年代で唯一知っている女性だ。
 たしかにもう少し大きくなったら、エルヴィをエスコートする役目を与えられるかもしれない。

「はい、ではもう一度おさらいをしましょうね」
「はい、先生!」

 女性をエスコートする方法だけではない。テーブルマナーや、茶会のマナー、様々な儀礼の時にどうふるまうべきか。学ばなければならないことはたくさんある。
 そうしていたら、リュディアが部屋を訪れた。

「先生、お久しぶりです」
「まあ、陛下。ご立派になられて」
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