辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「ラウガルトさん!」
「こんにちは、トーリ殿」

 ラウガルトの顔を見たとたん、トーリの顔は明るくなる。体力づくりをしている時は『先生』だけれど、今のような時は――なんだろうか、同志とでも呼べばいいだろうか。リュディアのために、力を振るうと決めている同志。

「陛下、僕にご用ってことは、魔物とか精霊とかですか?」

 わざわざ家庭教師との授業中に来たけれど、指定された時間が午後なのは疑問だった。

「そんな顔をするな。久しぶりに先生にお目にかかりたかっただけだ」

 と、トーリの内心を見透かすように肩をすくめてから、リュディアは真面目な顔になる。

「皇宮の薬草園に問題が発生している――そなたは、行ったことはなかったな」
「はい、陛下。でも、庭師のおじさんが、薬草の元気がないって言ってました」
「それなんだが――精霊と語り合うことのできるスキルを持つ者に原因を探らせたのだが、精霊達の機嫌を損ねてしまったようで何も話してくれないんだ」

 なんでだろう。基本的に、精霊は人間が大好きだ。
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