辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 ただ、見習いの少年は例外だ。彼もまた皇宮の庭園からは去ることになったけれど、皇帝一族が持っている別荘の一つに行くことになったそうだ。彼の師匠である庭師も、少年と共に行くことになったらしい。少年が薬草園長の罪に繋がる証言をしたということで、師匠の方も罪を減じられた形だ。

「……そっか。それならまだいいのかな」

 少年は庭師として働くのが好きだと言っていた。ならば、その彼が仕事を失わないですんで本当によかった。
 それに――とトーリは思う。皇帝の別荘で働くのならば、普通の庭師よりもずっといい待遇に違いない。

 ◇ ◇ ◇



「ラウガルト、トーリを頼む」
「かしこまりました、陛下」

 リュディアに言われて、ラウガルトはすぐに応じた。

「トーリ殿には恩もありますし……彼の身に危険が迫らぬように尽力いたします」
「頼んだぞ」

 リュディアが即位するまでには、様々な事件があった。
 婚約者であったアルヴァリクが彼女を殺そうとしていたのもそうだし、それ以外にも他の貴族と示し合わせて皇太女の座を辞退させようとした者もいる。
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