辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 それにしても、近頃トーリは働きすぎな気がする。ラウガルトが教師となって彼の指導をする時は、できるだけ身体を動かす遊びをさせるようにしているが、そんなことでは足りないのではないだろうか。
 薬草園に行ったラウガルトは、また驚かされることになった。
 薬草園長の裏切り。だが、それを精霊から聞き出したトーリは、なんてことない顔をしている。

(子供ばかり働かせるわけにはいかない――それに)

 リュディアも気づいてはいないだろう。このトーリの危なっかしさに。
 トーリの意識は、常にリュディアに向いている。まるで、彼女に捨てられるのを恐れているかのように。
 子供なんて、そこにいてくれるだけでいいのだ。だが、トーリが優秀なだけについこちらも頼ってしまう。

(陛下も、素直な性質ではないからな……)

 リュディアもトーリを大切にしているのだが、「私の側にいるのだからこのぐらい当然だ」と本人も悪気なく口にする。
 時々、トーリが申し訳なさそうな顔をするのは、それが理由だろう。

(陛下に、近いうちに一度お話をしておいた方がいい)

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