辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~

 地面に足がついた段階で、ノームであるキヴィはトーリの存在を察知することができる。そのため、急いで駆けつけてきたのだろう。
 ここにガイストを呼び出せば、トーリに袋をかぶせた男を瞬殺してリュディアのもとへ帰ることも可能だ。だが、トーリはその選択肢を選ばなかった。

(ちょっとこのまま黒幕のところまで連れて行ってもらおうと思うんだよ)

『友よ、こいつをかみ殺してもいいんだぞ?』

(ガイストは落ち着こうね。この人、どう見ても黒幕じゃないからさ……)

 たぶん、というかその可能性が非常に高いとトーリは思っているけれど、おそらく、背後には貴族が関わっている。
 今、袋に入れたトーリを小脇に抱えて移動している男は、どう考えても下っ端だろう。だって、トーリを手中にした瞬間、殺そうとはしなかったから。
 ――となると、背後に誰かいると考える方が自然なわけで。トーリの存在によって、何らかの不利益を被るのは貴族だろう。

(このままじゃ、陛下の邪魔になっちゃうからね。黒幕さんにはきちんとご挨拶しなくちゃ)

『坊や、私がお薬をあげてもいいのよ? なんでもしゃべりたくなるお薬とか』

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