辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「どうするつもり、だと? もちろん、陛下のお側からお前を排除するに決まっている……さて、お前には二つの選択肢がある」
「選択肢?」

 問答無用で殺されるのかと一瞬ぞっとしたけれど、どうやら男はトーリに選択肢をくれるつもりらしい。

「そうだ。私の奴隷になるか、ここで魔物の餌になるかだ」
「奴隷?」

 これ見よがしに、男はトーリの前で輪になった鎖のようなものをぷらぷらとさせた。今首に嵌められている魔道具と同じようなものだろうか。

「本当は、お前の意志と関係なく奴隷にできればよかったんだがな……さすがに、強制奴隷の首輪は、手に入らなかった。お前が、私と契約を結ぶというのであれば、命は助けてやろう」
「……なるほど」

 基本的に、帝国において奴隷は禁止されている。だが、貴族達の中には相手を奴隷として使役できる魔道具を使って、屋敷で働く者を管理することがあるという噂はキヴィが教えてくれたことがあった。
 主人に逆らえない、屋敷のものを盗まないなどの契約を交わすのである。機密性を保たねばならない魔術師の家などでは使われることがあるらしい。

「……断ったら、あの魔物の餌?」
< 177 / 266 >

この作品をシェア

pagetop