辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 ラプハート家の領地は、帝国との境目に位置している。昔は、帝国との縁を繋ぐために政略結婚した人だっていたはず。そういう意味では帝国の血が一滴も流れていないとは言いきれない。
 皇帝一族の血が流れていないということであれば、ほぼ確実にそうだろうけれど。

「このままでは、陛下はお前に皇帝の座を譲ると言い出しかねない」
「え、そうなの?」

 いくらなんでも、それはないだろうとトーリは思った。リュディアがトーリを側に置いているのは、トーリの誓約者達の能力を利用するため。
 トーリが役に立たないと判断すれば、すぐにでも放り出すだろう。だからこそ、トーリは自分が役立つとリュディアに証明し続けなければならないわけで。

(そう、僕は役立つ子でいなければならないんだ)

 リュディアに見放されたら、どこに行けばいいのかわからなくなる。ガイストやキヴィやレーケと一緒ならばどこでもいいとも思うけれど、人間の世界を離れて暮らす決心まではまだできない。

「……そこまでは、考えておらなかったが」

 リュディアとしても、貴族の発言はあまりにも思いがけないものだったようだ。珍しく、困惑した顔になっている。
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