辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~

「たしかにトーリを側に置いているが、トーリを未来の皇帝にするつもりはなかったぞ……だが、悪くはないな」
「――陛下!」
「すべて、白状しろ」

 リュディアに低い声で命じられ、貴族は観念したようにうなだれた。
 男が白状したところによると、以前からトーリとリュディアの関係が近いことを危惧していたそうだ。
 たしかに先日発熱した時には、リュディアはトーリの寝室に仕事を持ち込み、自ら看病してくれた。会議などの時には留守にしていたけれど、それにしたって必要最低限。
 まるで、自分の子供を看護しているようだと貴族達の間では噂になったらしい。
 キヴィの存在は知っていたから、トーリを持ち上げることができるほど大きな魔物と契約している者を使って、トーリを誘拐させた。

「お前の契約者にノームがいるというのは知っていた。だからこそ、空を使って攫わせたというのに……」

 空までは、ノームの力は及ばない。だから、魔物使いにもトーリの脚を地面に付けないようにしろと命じていたようだ。
 もっとも、魔物使いの方は男の言葉を軽視していたのだろう。トーリを袋に詰める時に、しっかり地面に下ろしていたから。

< 183 / 266 >

この作品をシェア

pagetop