辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 ガイストが、トーリに身体を擦り寄せてくる。
 大丈夫かどうか、自分では正直なところよくわからない。

「トーリ、よくやった」

 トーリのその気持ちを見抜いたのか、リュディアがそっと肩に手を置いてくれる。

(そうだね、僕は選んだんだ。自分で自分のいるべき場所を)

 リュディアの体温にほっとする。すぐに開拓村に戻って、次の行動に乗り出そう。

 * * *



 アルヴァリクが目を覚ました時、最初に見えるのが自分の顔であるように、リュディアは慎重に座る位置を決めた。
 広間の中央に椅子を置き、足を組んで待つ。軍服調の黒いドレス、腰に剣。女帝としての自分と、軍人としての自分。両方を相手に見せるつもりだった。

「レーケ、頼む」

 そう言えば、レーケがアルヴァリクの前へと飛んでいく。鼻から吸い込ませたのは気付け薬だろう。縛られたまま床に転がされているアルヴァリクが、ゆっくりと目を開いた。
 金髪。青い目。その目が数度瞬き、自分が拘束されていることに気づいた瞬間、はっと大きく見開かれる。拘束されているとは思えない俊敏さで、アルヴァリクは飛び上がった。
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