辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 アルヴァリクの前で、今度はリュディアが肩をすくめる番だった。リュディアが治めるようになってから、貴族達が怪しげな動きをしてはいるが、今のところ大きな被害を出さずに乗り越えている。それに、帝国の勢力事態は伸び続けているのだ。トーリと共に帝国領とした開拓村を計算に入れなくとも。
 だが、この男は帝国が欲しかった。最初から、彼が望んでいたのはリュディアではなく、帝国だった。それを認めるのに、ずいぶん時間がかかってしまったけれど。
 幼かった自分を恥ずかしいとは思わない。愚かだったとも思わない。
 自分が愛したものが最初から存在しなかったというのは、怒る気にもなれない種類の虚しさだった。
 その気持ちを押し隠し、リュディアは紅を塗った唇を笑みの形に変化させた。冷徹な女帝の笑み。アルヴァリクがいなくなってから身につけた微笑みだ。

「協力者の名を言え。全員だ――言わなければ」

 拷問にかけるとでも続けようかと思っていた時、今まで目立たない場所で二人の会話を聞いていたトーリが割り込んできた。

「言わせるまでもありません。キヴィが全部調べてくれました」

< 251 / 266 >

この作品をシェア

pagetop