辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「そなたは、ジュースでいいな」
「はい。でも、付き合いますよ」

 トーリの前には、果物を絞ったジュースが用意された。
 二人は、ソファに並んで腰を下ろした。向かい合わせではなく、並んで座る。その方が、相手の体温をより身近に感じられるから。

「……終わりましたね」

 トーリがつぶやくように言うと、リュディアは黙ってうなずいた。
 彼女の表情に、珍しく感傷が混ざっているのに気が付いたけれど、トーリから言葉にすることはない。

(うん、やっぱり不思議だな)

 トーリはジュースを一口飲みながら思った。
 あの夜のことを思い出す。リュディアの天幕に乗り込んでいったあの夜。
 生き残るために、開拓村の人達を守るために、自分を売り込まなければならなかった。役に立てると示さなければ、居場所がないと思っていた。
 それが今は、女帝の隣に座り、一緒に夜の時間を過ごしている。

(……悪くないかも)

 本当にそう思う。
 ガイストは不器用で、でも誰よりも傍にいてくれる。
 レーケはちょっぴり過保護だけれど、母のように見守ってくれる。
 キヴィはどこかつかみどころがないけれど、頼りになる。
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