辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 クウンと可愛らしい声をあげたかと思うと、シャドウウルフはトーリから下りた。きちんとお座りをしてこちらを見たが、尾は激しく左右に揺れ続けている。

「えっと……ありがとう」

 何はともあれ、助けてもらったのだ。お礼を言わなくては。よく見てみれば、周囲にいるシャドウウルフ達も、きちんと座っている。
 野営用に焚かれていた炎で見る限り、トーリを舐め回していたシャドウウルフは一番身体が大きく、力も強そうだ。もしかしたら、リーダーなのかもしれない。

(……もし、リーダーと契約できたなら)

 ふと、そんな考えがトーリの頭に浮かんだ。シャドウウルフは、リーダーを中心に統率の取れた狩りをする魔物だ。今だって、トーリの前でリーダーがお座りしているから、仲間達もそれに従っているのだろう。

「あのね、もし――もし、君がそうしてもいいよって思ったなら、僕と契約してくれない?」

 きちんと勉強する時間もなかったから、正しい契約の仕方、正しいテイムの方法なんて知らない。けれど、トーリが右手を差し出すと、リーダーはそこに前足を乗せてきた。
『契約しよう、我はそなたを友と認める。我に名を』

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