辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
慌てて馬車の方に逃げ込もうとした時だった。扉を開いたところで、服を掴まれぐいっと引き戻される。
「うわああ!」
転がり落ちたかと思えば、ハッハッと魔物の息が顔にかかる。
すぐそこに、黒い狼の顔があった。涎(よだれ)をだらだらと垂らしていて、トーリを完全に獲物として見ているらしい。
「やめて! 食べないで! 僕美味しくないよ!」
思わず叫び、バタバタと手足を振り回して逃れようとした。だが、のしかかっている魔物の身体は大きく、逃げられそうもない。
「……わあ、やめて、やめてよ! 美味しくないって言ってるでしょ!」
かと思えば、べろべろと顔じゅうを舐め回される。ざらざらとした生暖かい舌で舐められて、トーリは悲鳴をあげた。
(……ん?)
けれど、トーリは疑問を覚えた。
トーリを食べるつもりならば、すぐにでも食らいついてくるはず。なのに、このシャドウウルフは、トーリをべろべろと舐め回すだけ。
それどころか、視界の隅にぶんぶんと勢いよく振り回されている尾の先が映る。
「あ、の……もしかして、助けてくれた?」
「うわああ!」
転がり落ちたかと思えば、ハッハッと魔物の息が顔にかかる。
すぐそこに、黒い狼の顔があった。涎(よだれ)をだらだらと垂らしていて、トーリを完全に獲物として見ているらしい。
「やめて! 食べないで! 僕美味しくないよ!」
思わず叫び、バタバタと手足を振り回して逃れようとした。だが、のしかかっている魔物の身体は大きく、逃げられそうもない。
「……わあ、やめて、やめてよ! 美味しくないって言ってるでしょ!」
かと思えば、べろべろと顔じゅうを舐め回される。ざらざらとした生暖かい舌で舐められて、トーリは悲鳴をあげた。
(……ん?)
けれど、トーリは疑問を覚えた。
トーリを食べるつもりならば、すぐにでも食らいついてくるはず。なのに、このシャドウウルフは、トーリをべろべろと舐め回すだけ。
それどころか、視界の隅にぶんぶんと勢いよく振り回されている尾の先が映る。
「あ、の……もしかして、助けてくれた?」