辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 前世では一人暮らしをしていたから、料理の手順は心得ている。たいした調理器具もないので、だいたい煮込むだけになる、それでも料理と言えば料理だ。作ってくれる人がいるのならば、ありがたい。

「この地は、魔物にしばしば脅かされておりまして……昔は、何百人もいたのですが、今では我々ぐらいしか残っていないのですよ」

 村の中を案内しながら、村長はそう教えてくれる。子供だというのに、トーリのことを侮ってはいない。きちんと領主として対応してくれている。辺境伯直筆の手紙を持参したので、下手に逆らっては問題になると思っているのかもしれない。

「周辺の魔物は心配しなくてもいいと思う。ガイスト、どうかな?」

『我らに任せるがいい、友よ』

 ガイストの群れが、村の周囲を守ってくれるという。

「本当ですかな? しかし、それだけでは……」

 村長の話を詳しく聞くと、この地は土地が貧しく、作物がなかなか取れない。
 それでも、この地の開拓を諦めていないのは、開拓した土地は自分のものになるからだ。辺境伯領で、自分の土地を持てるというのはそれだけで大きな財産になるそうだ。

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