辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 気前よく支払いをしてくれた行商人はニコニコである。この開拓村まで足を運ぶ行商人は少ない。そのため、今回の上質な魔物素材や回復薬、これらは彼が独占できるのだ。

(……専属のお約束をしておいた方がいいかな?)

 行商人の話から、トーリは売った品々が上質のものだったらしいと判断した。目の前にいる彼が、上質の品を入手してきたとなったら、きっとどこで仕入れたのかと噂になるだろう。

「ねえ、あなたと専属契約した方がいいかな?」
「専属、ですか?」
「うん。だって、この村の商品、いい品でしょう?」

 トーリの言葉に、相手は驚いたように目を見張った。それはそうか。いくら貴族の子供が高い教育を受けるとはいえ、トーリはまだ五歳。そんな発想をするとは想像もしていなかったのだろう。

「よ、よろしいのですか……?」
「だって、今までこの村に商品を運んでくれたのはあなただけでしょう? だったら、これからもあなたにお任せしたいな。開拓村の新商品も気に入ってくれたみたいだし」

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