辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 こうして村の運営はうまく回り始めた――と思ったけれど、問題が発生した。

「……軍隊?」

『向こう岸に帝国軍が来ているぞ。レーケの群れのものにも見てきてもらったから確実だのう』

 ノームであるキヴィは、土のあるところならばどこへでも行けるという。トーリを一緒に連れていくことのできるガイストとは違って、精霊本体だけだけれど。

「……目的は何?」

『この村のある地を領土にしたいらしい』

「――は?」

 それって、一方的な侵略ではないか。許されるのかそんなことが。話を聞いていた村長も、不安そうな顔をしている。
 開拓村の住民は、敵が攻めてきたら戦うことを求められる。相手が、他の国の軍隊でも同じことだ。

(……この村が攻められたら)

 トーリは頭を振って、嫌な考えを追い払おうとした。
 村の住民達は、人間相手に戦った経験は持ち合わせているはずだ。なにしろ、この地には盗賊もしばしば発生するので。
 だが、正規の軍を相手にしたことはないだろうし、そもそも全住民が三十人プラス、トーリ達ご一行だ。

(……敵を追い払うことはできなくはないと思うんだけど)

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