辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 キヴィに頼まれたノーム達は、帝国側に侵入して情報収集役を引き受けてくれた。なにしろ、ノームは土の精霊。土があるところならば、どこまでだって行ける。

「……じゃあ、始めようか」

 トーリの口元に浮かぶのは、幼子が浮かべるにはあまりにも強張ったもの。これからのトーリの言動が、開拓村の今後に大きく関わることを知っているからだ。
『子供達、さあ、お行きなさい。人間達によい夢を贈るのですよ』

 レーケの言葉に従い、ブンブンと羽音を立てながらメディックビー達が飛んでいく。固まっていると羽音は少々うるさいが、すぐにばらばらになって聞こえなくなった。
『あとは、しばらくお待ちなさいな』

「うん、ありがとう。レーケ」

『どういたしまして。大切な坊やの願いだもの』

 トーリの肩に乗ったレーケは、頭を擦り寄せてくる。彼女の言葉を聞きながら、だんだんと意識が高揚してきたトーリは、眠気が去っていくのを感じていた。
 これからの大勝負、成功するか否かはこれからのトーリにかかっている。
 待っていたのは、十分かそこらだろうか。
『成功したようね。さあ、行きましょう』

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