辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 開拓村に残ることを選んだのは村民達だが、そもそもこの地の開拓を望んだのは辺境伯家だ。開拓者達の命を守るための措置を行うべきだったのだ。

「帝国軍の人が村を守ってくれるし、シャドウウルフやメディックビー達にも手を貸してもらうね。ノーム達も村を警戒してくれるって」
「ありがたいことです……」

 村長は、トーリに頭を下げた。相手が五歳の子供であることも彼はまったく気にしていない。
 彼は、村長として、領主であるトーリの意見に常に耳を傾けてくれた。難しいことは難しい、無理なことは無理と率直に意見を述べてくれるのもありがたかった。

「僕、しばらく留守にするけれど、村のことをよろしくお願いね」
「はい、ここは我らの村ですから」

 三十人にまで村民が減っても、開拓を諦めなかった村長の目は力強い。トーリは安心して、村を発つことができる。

「じゃあ、行ってくるね!」

 村長達に見送られるが、トーリに悲壮感はない。だって、戻ってこようと思えばいつだって戻ってこられる。
 リュディアに村を渡した以上、彼女の許可を得るまで戻るつもりはない。
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