辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 まだ早朝の今、道を行き交う人の姿は少ないけれど、皆、安心しているのがトーリにもわかった。治安がいい。
 それに、街の建物はどれも綺麗だ。石造りの建物は、規格が揃えられているようで、奇抜な建物は見受けられない。それが、この都の整った美しさを作り出している。
 その傾向は、都の奥、貴族達の生活する区域に近づけば近づくほど顕著になっていった。白い石が使われた建物。庭の手入れもきちんとされているようで、柵の隙間から見えているのは整えられた花壇に芝生、噴水など。
 だんだんと道が広くなり、それぞれの建物の敷地も広くなっていく。そして、グラス公爵邸は、皇都の中でも一等地にあった。

(……この屋敷だけで、開拓村がすっぽり入っちゃいそう)

 トーリが今想定している開拓村は、農地は含んでいない。村民達が暮らしている生活の場だ。キヴィの力を借りて、トーリが領主となってからはぐるりと高い塀に村を囲んでもらった。その村の敷地が、すっぽりと入ってしまいそうだ。

「……レーケ、お願いしてもいい?」

『ええ、もちろん。可愛い坊やのお願いだもの』

< 79 / 210 >

この作品をシェア

pagetop