辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 ガイストの群れに属するシャドウウルフが、馬車の影に潜んでここまでついてきていたようだ。とはいえ、彼らの協力はトーリにとってはありがたいものだ。

「陛下、あとでお肉をください。あと、お花」
「わかった。準備させよう」

 シャドウウルフの群れには美味しい肉を、メディックビー達には花を。それから、ノーム達にはトーリの魔力をあげよう。ギブアンドテイクは大事である。

「それにしても……トーリの仲間達はすごいな。私を殺すこともできただろうに」
「それはどうかなあ。僕の力じゃ無理だと思うの」

 トーリの細腕では、せいぜいペンナイフぐらいしか持てなそうだ。それでも殺傷能力はあるかもしれないが、人体にそれを突き立てるとなるとぞっとする。

「エルヴィ!」

 叫んだラウガルトは、門を一気に乗り越えた。いや、どうやってやったのだ。
 トーリは瞬きをした。公爵邸の門は、大きくて立派なもの。ラウガルトの身長の倍ぐらいの高さはありそうだったのに、一気に越えていった。

(人体の神秘……ってだけじゃないんだろうな)

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