シュガー&シュガー【完】

キス解禁してみました




「え、付き合って二ヶ月経つのにまだキスしてないの?冗談じゃないよね?」


 ストローから口を離したエリは目を見開き食い気味にこちらに顔を向けた。

 私はこくりと頷く。


「えーまじか。なんか意外だ。向葵(あおい)さん、チャラそうに見えるのに」
「向葵さんはコミュ力が他よりも高いだけ。あと友達が多いし、まあ、恋愛経験は豊富って風の噂で聞いたことはあるけど。別にチャラくはない」


 ……はず。たぶん。


 私には彼氏がいる。学年は一つ上で出会いはサークルの新歓。飲みの席ということもあったからかコミュ力お化けな向葵さんは分け隔てなく学年を超えて話しかけてくれた。

 ジンジャーエールとジンジャーハイというお酒を私が間違って飲んでしまい、気分が悪くなった時はトイレまで付き添ってくれた。

 そして、

『翠ちゃん、口あーんてしてみ。俺が楽にしてあげるから』

 初対面にも関わらず、口の中に躊躇なく指を突っ込み吐かせてくれた。

 不覚にもここで落ちた。シチュエーションは最悪だが。かっこよくて、男らしい向葵さんに恋をしたのだ。
< 1 / 9 >

この作品をシェア

pagetop