シュガー&シュガー【完】
体をゆさゆさと左右に揺らしながらぎゅううっと強い力で抱きしめられる。
「俺、翠ちゃんのこと好きすぎてたまんないんだよね。目に入れても痛くないレベルじゃない。もはや入れたいぐらい」
「え」
「引かないで。例えの話だから。それぐらい好きだよって意味だから」
「その点については私も負けませんよ。寧ろ望むところです!」
「あーあ。ほんとかわいいよねぇ、翠ちゃんは」
ちゅ、と軽めのキスが落とされる。不意打ちは心臓に悪い。ふと揺れていた体が止まる。熱を持つ指先で私の乱れた前髪を直しながら「なんかね、好きが大きくなるにつれて翠ちゃんに触れるのが怖くなったんだよね」と眉を下げた向葵さん。弱々しい向葵さんを見るのは初めてだ。
「歯止めが効かなくなる気がして、翠ちゃんを傷つけて壊してしまうんじゃないかって、びびってた。てか今も冷静保つのに必死なんだよ」
情けないよね。
そう言って私の肩に自分の額をつける。向葵さんのこと、どうしようもなく、愛おしい。私は彼の後ろ髪を優しく撫でる。