生贄聖女ですが、モラハラクズ魔王と国を立て直します!

次の日




次の日、アランは眠れない夜を過ごしていたのか、
なんとなく元気のない様子で朝食会場に現れた。
いつもいた取り巻きの女性たちも今日はいなかった。

「おはようございます」

扉を開けると、
ソフィアが座っていた。

大きな食卓にポツンと座っているが、
朝の日差しを浴びてプラチナブロンドの髪がキラキラと輝いていた。

アランは昨日のことは夢だったのかと思うほどだった。

「おはよう。昨日は……よく寝れたか?」
ボソボソと言う。
「大変よく眠れました」
にっこりと微笑む。


無言の中、ありとあらゆる食事が運ばれてくる。
朝からステーキ?と目をむくものもあれば、
ケーキやアイス、ハンバーグ、麵料理、中華なんだかなんなんだか。

「……魔王様、これは?」

「ん?朝食だが」

アランはむしゃむしゃと手づかみで食べ始めた。
骨付き肉にかぶりついた姿はまるで獣のようだった。

美しい衣装が油と零れ落ちた肉でべとべと。
それを見て華恵改め、ソフィアは立ち上がった。

「あかーーん!!!
そないな食べ方したら!!
仮にも王なんやろ?あんたにはマナーいうもんはないんか!?」

ドシドシ(正確には羽の鳴るような足音だが)とした素振りで、
アランの横に立ち、
ソフィアはその辺にあったナプキンで口を拭い、
汚れている胸元を優しく拭いてあげた。

「これ、こんなに汚れてもうて……
あかん子やな~」

母のように優しい手つきで集中して拭いていた。
ソフィアが心配そうに顔を覗き込むと、
アランはびっくりして固まってしまっていた。

「どうしたんや?」

「……い、いや」

アランはフイと横を向く。


< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

犬猿の仲でも溺愛が止まりません!

総文字数/49,076

恋愛(オフィスラブ)48ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
伊藤夏希(25)は大阪を本社とする商社で働く会社員。 佐原涼司(25)とは営業で一二を争うライバル。 東京支社で2人はいつも喧嘩ばかり。 互いに認めつつも犬猿の仲である。 ひょんなことから飲み会でヒートアップし、 酒が進む中2人は再び対決する…… それが大失敗につながるとも知らずに…… そこから2人の距離は近づいたり、離れたり…… オフィスラブストーリーです。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop