生贄聖女ですが、モラハラクズ魔王と国を立て直します!
「ソフィア……」
あぁ……私の名前だ。
山本華恵……は昔の名前か。
「ふふふ、美しい聖女よ、寝ていると人形のようではないか」
……ぱち
目が覚めるとアランが枕元に座っていた。
「おお、我が花嫁よ。目が覚めたか!」
「……ま、まおう様……私は?」
「疲れだそうだ。移動や式の準備で疲れたのだろう」
起き上がろうとするソフィアにそっと背中を支える。
「……あかん、思い出せへん……」
ソフィアは小さなか細い声でつぶやく。
「大丈夫か?」
アランの手に優しさを感じてソフィアはアランを見つめた。
アランはにこりと微笑んだ。
「そうだ。……今日は何といっても初夜だからな!!
今日からお前は俺のものだ……」
アランのにやりと笑う顔はいやらしい期待に満ちた顔だった。
…………………。
「あかんわっ!!!!」
ばこん!と片手でソフィアはアランの頭をはじいた。
正確には突っ込みを入れた……のだが。
「へ!?」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔でキョトンとしたアランに、
ソフィア……いや華恵はとうとうと語る。
「あんな?
このおじょうさんはな、長い間聖女としてこき使われてきたんや。
んで?なんや?用が済んだら生贄として魔王と結婚か?
こんなところに侍女もおらんで一人来てな。
結婚式して倒れとるんやで?
それを労わりもせえへんで、いきなりピーーーーやろうって?
そーれは、あかんで。
今後遺恨を残すってもんや。結婚生活、これから長いんやで?
こっちは逃げるところもあらしまへん。ここは疲れが取れるまで待ったれな。
あんたは王様なんやろ?それくらいできんでどうするんや!」
さっきまで眠っていた聖女とは思えない気迫と、
聞いたことのない大阪弁でまくし立てられ、
アランは気がついたらソフィアの部屋の外に出されていた。
「おっ…おい!!!」
慌てて部屋に戻ろうとするが、
ガチャンと鍵をかけられてしまい、どうすることもできない。
魔法で破壊することもできたのだが、
ヨロヨロとアランは自室に戻っていった。