生贄聖女ですが、モラハラクズ魔王と国を立て直します!
魔王との結婚式
真っ黒な空、大きな城の周りには、なんだか分からない蝙蝠のような鳥がギイギイ言いながら飛んでいる。
猫族のメイド、ミミは、表情を変えず、ソフィアを迎えた。
「こちらです」
そう言って通された部屋は、人間が好むような美しい部屋だった。
ベッドも広く、窓もある。景色は悪いが。
「御用の際はこちらを鳴らしてください」
と、ベルを枕元に置いた。
鳴らしてみると、何も鳴らなかったが、
ミミはパッとこちらを見た。
「このベルは猫族に聞こえるようになっております」
と、言った。
ミミが立ち去ると、
ソフィアはぽすんとベッドにダイブした。
「ふーーーーーー」
魔国までの道のりは過酷だった。
城下町を出た途端、馬はドラゴンに代わり、
ものすごい速さでどこか知らない土地に来た。
もしかしたら、どこかにワープポイントでもあったのかもしれない。
生き物も、木々も、太陽も何もかもが違うように見える。
「こわい……」
ソフィアは、
孤独に身体を丸めて自分を抱きしめた。
「魔王様……どんな方なんだろう……」
はた、とソフィアは気づく。
「ドレス着替えよう……」
ミミを呼ぼうかと思ったが、長い遠征生活で、
ソフィアは何でもできるようになっていた。
ミミが片付けていったクローゼットから着やすい服を選び、
さっと着替えた。