フェイク・シークレット 〜自分を守るために〜
第一章 嘘。
夏澄の葛藤
「私、がん、もう治らないことにする」
「夏澄?本当にその選択でもいいの?」
「……うん」
私は深森夏澄、ただ、何事もこなすのが得意な普通の女子中学生。──────そういいたい。
私の家柄は由緒正しき深森グループの娘。私は長女で、お兄ちゃんと今病室にいる。
がん、治らないことにするというのは、私ががんが治ったから。
だから、本当の自己紹介は、何事もこなすのが得意な、お嬢様であり、がんが治ったばっかりの女子中学生。普通とは懸け離れている生活を送ってきた。
無音──。
「えっと、あと、……」
「大丈夫、他は何とかする」
私は誰に育てられるんだろう?
あの状況だったら、ほかの家に行かないとかな?