フェイク・シークレット 〜自分を守るために〜
お兄ちゃんは病室から出て、ドアを閉めたあと、もう一度開いた。
「またな、俺はもう海外だけど、ちゃんとサポートはする」
私ががんについて嘘をつくと決めたのは、養子になってくれないかと寄ってくる人が多いから。
暇な病院生活の中で、どうするか考えた結果、治ってないと嘘をつき、ほかの家にもらってもらえばいいんじゃないかという結論に。
治っているといえば、他の人は遺産をもらえる私というブランドがなくなるのではないか。
なんておもったけど、もしかしたら強行突破されるかもしれない。
じゃあお兄ちゃんのお手伝いさんに見てもらえば……
それは、お手伝いさんのなかに、何が信用できない人がいたらどうなってしまうんだろう。
だから、治っていいないと嘘をつき、他の人にもらってもらうことにした。
それが本当に正しいのか、分からない。
……でも、流石に時間に限界がある。
それをわかってのこと。
「はぁー、これからどうしよう……」