フェイク・シークレット 〜自分を守るために〜
第六章 真犯人
俺の父
〈Side 涼〉
俺は、涼。
つい今さっき、夏澄と浮き合えることになった。
俺は……嬉しかった。
夏澄が俺の事好きなんて、考えもしなかった。
それぐらい、嬉しいこと。
「夏澄、帰ろ」
「うん!」
「あっ……!」
思い出した!
という声が聞こえそうな夏澄を見て、「どうした?」と聞いた。
「おばさん呼ばないと……!」
あ、確かにいないなと思ってたけど、夏澄が裏にやってたのか。
「おばさん!終わりました!」
「終わったのー?じゃあ、何かかってく?」
「急に営業モードですね?」
俺達を心配していそうな目だったのが、急に営業モードになって、思わず突っ込んでしまっていた。
「いいです、帰りますので」
「あら、そうかい。またね」
「おばさん、ありがとうございます!」
律儀に感謝を伝えられる夏澄。そういうところも、好きなんだけどな。
俺は何も持っていなかった夏澄の手を見て、繋いだらどうなるんだろう。と悪戯心が溢れてきた。
繋いじゃお
俺は夏澄の手を取って、歩き出した。
夏澄はちょっと止まって、顔を赤くしてた。
かわいい。
「夏澄、ありがとう、今日は」
「うん、ありがとう!」
俺は夏澄が言っていたマンションへ向かった。
「あ……ごめん、私のマンション、実は違うところで……!」
え、嘘つかれてた?
……まぁ、夏澄は深森グループの娘。
本当に事言ったら、もしかしたら誘拐されるかもしれないもんな。
「そっか、じゃあほんとの場所教えて?」
「それは……分かった」
夏澄が今度は前に行って、歩いてくれた。
今日の夏澄はかわいい。
だから、心配になる。
俺の父さんはどうするのかが。