フェイク・シークレット 〜自分を守るために〜
「父さん」
俺は夏澄を送り届けてから、自分の家に帰った。
すでに家にいた父さんに話しかける。
「よぉ、今日はどうだった?!」
「……今日?別に」
俺は自室に戻って勉強を始めた。
父さんは嫌い。
金に支配されてるから。
でも、……だから、そんな奴に夏澄は来て欲しくない。
父さんは、元々会社の社長をしていた。
その時の取引先が深森グループの子会社。
ただ、外された瞬間……倒産した。
そこからは、貧乏だった。
なんとかして、借金は返せたらしい。
でも、何故か一歩踏み出そうとしない。
そんな父さんが嫌い。
「涼、話がある」
「……」
「リビングに絶対来い」
「……分かった」