仮恋愛
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翌日涙袋が腫れていない事を確認して、朝教室に来てみると、何やら騒がしい。
私を覗き込んでひそひそと、話しているのを見ていて何だか、嫌な空気だ。
一緒に来た杏ちゃんもやって来た。
私の肩を叩き「昨日は、ごめん」とりんごちゃんジュースを渡され私は「気にしてないよ」と笑顔で制した。
杏ちゃんが悪いわけではない。
これは、月先生と私の問題だからーーー杏ちゃんが意地悪したわけじゃないし。
ただ杏ちゃんは、助言しただけ。
だから、私は気にしてない。
「何があった?」と杏ちゃんはクラスの学級委員の「増田くん」に話しかけた。
増田くんは「ヒィッ」と怯えた顔して、杏ちゃんに仰け反った。
「ぼ……僕は、お金なんて持ってないんですからね!!」
「別に、そんなガラの悪い事する不良じゃねぇーから」と杏ちゃんは増田くんの肩を引き寄せて睨む。
「ちょっと、そんな事したら誤解されちゃうでしょ!!
要件を言わなきゃ!!
増田くんが可哀想でしょ!!」
杏ちゃんは弱虫チックな、増田くんに「皆が騒がしいけど何があったんだ?」と話す。
「君たちーーー知らないの?
え、本当に言ってるの?
嘘じゃない?
マジですか?」
と本題に入ろうとしない増田くん。
「さっさっと、話せよ!!」
と増田くん胸ぐらをつかむ杏ちゃん。
クラスの皆が、こちらに注目し始めてる……気まずい。
私は、二人に耳打ちをして、誰もいない廊下に場所を移動させる。
「実はーーー、一ヶ月前に、クラス内で怪文書を流されていたのを知らないんですか?」
「怪文書……?
どうゆうことだ?
アタシ、そんなの回されなかったけど……」
「ちょうど、杏さんはーーー暴力事件を起こして学校を停学になってたときです。
知らないのも、無理ないと思います」
杏ちゃんが、増田くんに飛びかかろうとして私が制する。
「その、内容っていうのは?
どんな、内容なの?」
「それは………」
チラリ、チラリ、と私と杏ちゃんを見て増田くんは口を開いた。
「凛さんが……主犯で、「姫さんをいじめて退学させよう」という怪文書がクラス内で回っていたみたいなんです」
「なん、だと!?
それ、正気かよ!!
なんでお前が止めなかったんだ!!」
増田くんは、肩をビクッと震わせて「そんなっ、僕のせい!?」と怯えていた。
「お前、学級委員ならクラスの責任ぐらい取れよ!!
学級委員ってのは、クラスの治安を悪くしないで戦うことで存在意義を確かめるようなもんだろ!!
お前が戦わなくて、どうするんだよ!!」
増田くんは、ムッとして「そんなの、クラスの人達から、学級委員を押し付けられたからやっているだけです!!
断れない僕の弱みにつけ込んで、今の状況に持っていかれてしまった……。
だから僕には、そんな勇気ありませんでしたよ!!
何より、凛さんが立場が強いのにーーー僕が……何かを言えばいじめられるのは僕になる!!
僕だって……背負うものはあります!!
そして、いじめられるのは嫌ですよ。
皆、基本そうでしょ!!」
杏ちゃんは俯いたけど、「ケッ」となって、そっぽを向いた。
ーーークラスで、そんなことが起こっていたなんて知らなかった。
でも、その間、私はいじめられなかった。
何でだろう……。
「担任の先生が庇ってくれたから、1ヶ月間いじめられなかったのか?
姫は?
そうじゃないと、こんな無疵で姫が学校に毎日通えてるわけ無いだろ?」
「それがーーそうじゃないんです。
助けてくれていたのはーー「月先生」だそうなんです……。
噂、ですけど……」
「はぁ!?
月先生!?
何で……あの人が?
あの人は、姫とアタシ達に確かに英語を教えている教師ではあるけど……副担任でも無いだろ?
担任でもないし……なんで、そんなに肩入れするんだ?」
「そんなこと言われても……僕には、分かりませんよ……。
ただ、聞いた話だと凛さんと契約して「姫に何もしない代わりに、凛さんと話す所を姫に見せびらかして」という契約だったと……噂で聞いています」
杏が「そうゆう噂知ってる所だけ、学級委員ぽいの何なんだ!!」と胸ぐらをつかむ。
私はすぐさま「辞めて!!」と、杏ちゃんを止めて増田くんに「今、月先生は何処にいるの?」と尋ねた。
「え……職員室にいますよーーー確か、凛さんの指導を行うとか何とか……」
と、言われ、急いで私は職員室に向かった。
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