仮恋愛
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ガラガラと職員室の扉を開いて、息をつまらせてやって来た先。
月先生が目を見開いて立ってた。
「お前、何で」
狐が威嚇するみたいな目線を向ける凛ちゃんに「借りるね!!」と。
月先生の手を引っ張って校長先生に「おい!!」と声をかけられても知らんぷり。
月先生を中庭の人目のつかない場所に移動して、月先生は私の手を払った。
「辞めてくれ。
お前は怖くないのか?
俺は共犯かもしれないのに」
私を払った手は、かすかに震えていた。
何処か刹那そうな視線を私に向けていた月先生。
悲しくなるのはこっちだよ……。
「何でこんな事をしたの?
……昨日は、あんなに突き放すことを言ったのに、なんで?
何で、こんな優しくするの?
月先生は、私を一体どうしたいの?」
月先生は、俯いていて答えない。
目をつぶって、現実を見ないようにそっと、自分の世界に閉じこもってしまうみたいに。
「何とか言ったらどうなの!!
私は、答えてくれなきゃーーー追いかけ続けるしか無いんだからね!!」
跳ね上がるように、月先生は顔を上げた。
目を見開いて、私に近づき顔を寄せた。
「お前、それを意味することはどうゆうことか分かってんのか?」
「先生のものになるってことだよ!!
もう、私はその覚悟は出来てるんだよ!!
ずっと前から、先生のものになるって決めてるからーーー私は追いかけてたの!!
強くて優しい先生のそばにいたいし、選ばれたいって心の底から思ったから!!」
「なら、諦めろ。
俺は、お前に興味など微塵もないしーーーしつこい女は嫌いだ」
「でも……諦めたくない!!
そう……そうだよ。
先生の事が好きになったんだから!!
好きになったら、気持ちは止められようにないでしょ?
だから、私がーー嫌いになるまで、私は月先生を追いかける!!
そうするしかないの!!」
月先生は目を大きく見開いて、目を細めた。
暫く私達は見つめ合ってーー。
月先生が目を逸らした。
月先生は、私に手ほどきを残した。
バチッとデコピン。
「痛っ!!」
軽めの、優しげな痛みが頭を包む。
目を伏せ「丁度いいタイミングでお前と離れられると思ったから……利用しただけだ」と。
「え?」
「お前に……嫌われればって。
めちゃくちゃに、心を傷つければーーー雨と鞭を使い分ければ、俺の事を姫が嫌いになってくれる。
そう信じた結果が、まさかこれだとは。
俺は完敗だ。
俺は、どうしたらいいんだ……」と頬を赤らめて、月先生は去っていく。
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