その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂
文武両道の総長
鳳学園の生徒会室。
昼休みの心地よい日差しが差し込む中、空間にはピリついた空気が漂っていた
机を挟んで九条澪と向かい合っているのは、
白髪交じりの髪を神経質そうに触る、学園の教頭だった
「九条会長。単刀直入に言うがね、最近、君が夜の街で不穏な集団を率いているという噂が職員室に届いているんだ。鳳学園の生徒会長がヤンキーの真似事など、我が校の品位に関わる」
教頭は腕を組み、いかにも「証拠を掴んでいる」と言わんばかりの威圧的な態度で澪を睨みつける
後ろに控える一ノ瀬刹那が、メガネの奥の目をスッと細めた
だが、澪は慌てる素振りすら見せず、上品に紅茶を口に運んだ
「おやおや、教頭先生。それはずいぶんと根も葉もない噂ですね。私が夜の街を徘徊していると?」
「しらばっくれるな! 夜な夜な爆音を響かせる暴走族『黒曜』。その総長が、君に酷似していると近隣からの目撃情報もあるのだ。そんなことにうつつを抜かしているから、学業がおろそかになるのではないかね?」
教頭の説教がヒートアップする。
その時、生徒会室のドアがガラリと開き、
三浦颯太が購買のパンを口にくわえたまま入ってきた
「あ、教頭先生ちわっす。何すか、またレイさ……じゃなくて九条会長に小言っすか? 先生の説教、長くてパン乾いちゃうんすけど」
「三浦君! 君はいつも態度が不真面目だ! 九条会長、君も彼のような問題児を近くに置いているから、悪い影響を受けるんだ。今期の中間テストの結果次第では、会長の座を退いてもらうことも視野に入れて――」
そこまで言われた時、澪は湯呑みをソーサーに静かに置いた
コト、と小さな音が響く。それだけで、室内の空気が一瞬で凍りついた。
澪はいつもの完璧な、お淑やかな微笑みを教頭に向けた。だが、その瞳の奥には、
夜の埠頭で敵ボスを睨みつけた時と同じ、冷徹な覇気が宿っている
「先生。学校の成績ですか? 学年1位ですが、それが何か?」
「え……?」
不意を突かれた教頭が言葉を詰まらせる
澪は流れるような所作で、手元の成績表を教頭の前に滑らせた
そこには全科目満点に近い、圧倒的なトップの数字が並んでいる。
昼休みの心地よい日差しが差し込む中、空間にはピリついた空気が漂っていた
机を挟んで九条澪と向かい合っているのは、
白髪交じりの髪を神経質そうに触る、学園の教頭だった
「九条会長。単刀直入に言うがね、最近、君が夜の街で不穏な集団を率いているという噂が職員室に届いているんだ。鳳学園の生徒会長がヤンキーの真似事など、我が校の品位に関わる」
教頭は腕を組み、いかにも「証拠を掴んでいる」と言わんばかりの威圧的な態度で澪を睨みつける
後ろに控える一ノ瀬刹那が、メガネの奥の目をスッと細めた
だが、澪は慌てる素振りすら見せず、上品に紅茶を口に運んだ
「おやおや、教頭先生。それはずいぶんと根も葉もない噂ですね。私が夜の街を徘徊していると?」
「しらばっくれるな! 夜な夜な爆音を響かせる暴走族『黒曜』。その総長が、君に酷似していると近隣からの目撃情報もあるのだ。そんなことにうつつを抜かしているから、学業がおろそかになるのではないかね?」
教頭の説教がヒートアップする。
その時、生徒会室のドアがガラリと開き、
三浦颯太が購買のパンを口にくわえたまま入ってきた
「あ、教頭先生ちわっす。何すか、またレイさ……じゃなくて九条会長に小言っすか? 先生の説教、長くてパン乾いちゃうんすけど」
「三浦君! 君はいつも態度が不真面目だ! 九条会長、君も彼のような問題児を近くに置いているから、悪い影響を受けるんだ。今期の中間テストの結果次第では、会長の座を退いてもらうことも視野に入れて――」
そこまで言われた時、澪は湯呑みをソーサーに静かに置いた
コト、と小さな音が響く。それだけで、室内の空気が一瞬で凍りついた。
澪はいつもの完璧な、お淑やかな微笑みを教頭に向けた。だが、その瞳の奥には、
夜の埠頭で敵ボスを睨みつけた時と同じ、冷徹な覇気が宿っている
「先生。学校の成績ですか? 学年1位ですが、それが何か?」
「え……?」
不意を突かれた教頭が言葉を詰まらせる
澪は流れるような所作で、手元の成績表を教頭の前に滑らせた
そこには全科目満点に近い、圧倒的なトップの数字が並んでいる。