【完】その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂
昨夜、あれほど圧倒的な暴力で世界の頂点に立った最狂の総長「レイ」の面影は、昼間の彼女にはどこにもない


だけど多久は、その笑顔の奥にある彼女の『本当の優しさ』を知っている


「はい! おはようございます、ミオさん!」


多久が真っ赤な顔で、でも誇らしげに声を返した


澪はふふ、と妖艶に唇を緩めると、人差し指を自分の唇に当て、小さくウインクをしてみせた


「ふふ、学校では校則厳守。この秘密は、内緒にしてくださいね?」


サラリと黒髪を揺らして歩き出す彼女の背中を、多久はもう、遠い存在だとは思わなかった


一生、この人の部下として地獄の果てまでついていこう


心の中でそう深く誓い、前を向いた


昼はお淑やかなお嬢様、夜は夜風に敬語を響かせる最強の総長。


彼女の伝説は、これからもこの街の夜に刻まれ続けていく。



〜fin〜
< 90 / 115 >

この作品をシェア

pagetop