はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜
「で。自暴自棄になりかけた時にさ、見ちゃったんだよ、たまたま」

「なにを?」

興味津々に千雪が哲平の横顔を見つめる。

「瀬戸が見てた雑誌だよ。インテリア雑誌。なんか、家の間取り図とかも載ってるやつ」

「あぁ、見てたね。それがどうしたの?」

ちょうど赤信号になりブレーキを踏んだ哲平が、千雪の方を向いた。

「その時、俺が話しかけたらさ、いつもならすぐに逃げ出す瀬戸がキラッキラした顔でさ、インテリアの話を始めたんだよ。それ聞いてたら俺も何だか楽しくなっちゃって、鬱々してた気持ちが嘘みたいに軽くなったんだよね」

「へぇ……力になれたみたいで良かったよ」

「で、俺は思った」

信号が青に変わり哲平は静かにアクセルを踏む。その表情はにこやかで、思い出し笑いでもしているようだ。
< 143 / 172 >

この作品をシェア

pagetop