はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜
ちらりと翔也を見てから躊躇(ためら)いがちにぽつりと言った。

「憎い人になっちゃった」

「え?」

「翔也くんが転校する時、私に言ったの。憎い人になっちゃったって。覚えてない?」

「……ああ。言ったね」

翔也は、それが何か?みたいな、軽い表情をしている。

「その意味を知りたい。ずっと考えていたんだけど、そう言われた理由がわからないの。私、翔也くんに何かしちゃったのかなぁ?」

千雪は伺うように翔也を見た。翔也は一瞬きょとんとしたが、直ぐに表情を緩めた。

「全然。ちぃは何もしてないよ。そっかぁ、僕の勝ちだ。ちぃに僕の事を刻み込めていたんだね」

「勝ちって何?」

「あんなこと言えば、気になって僕を忘れないでしょ。好きな人には忘れられたくないからさ」

「何それ怖いよ!忘れる訳ないじゃん!それに、連絡くれればいいだけの話でしょ。酷いよ翔也くん。私は本気で悩んだんだよ」

「ほら。やっぱり流される。僕、ちぃを好きだって何回も言ってるのにさ。ちぃにはこれくらい強烈な言葉を使わないと、効果がないんだもん。もっと真剣に僕を見てよ」

「あ……」

千雪はその意味にやっと気がついた。
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