藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
仕事では人に褒められ慣れていて当然だくらいの気持ちにしかならないが、どうしてか胸がむずむずとした。浮世離れした感想だからだろうか?
——野菜の皮剥きを褒められたくらいでバカバカしい。
咳払いをしてピーラーと人参を手渡した。
「やってみて」
「はい!」
張り切って彼女は人参にピーラーを当てるが、すぐに彬はストップをかけた。
「いや、違う。刃が逆だ」
「え? こう?」
「いや、そうじゃなくて……」
そもそも人参の持ち方も危なっかしい。このままではピーラーを使っていても怪我をしてしまいそうだ。
仕方なく彬は彼女の背後に周り後ろから抱え込むように彼女の両手に自分の手を添えた。
「左手はこう。しっかりと力を入れてピーラーを動かす」
言いながら彼女の手と一緒に動かす。何度かやったところで手を離した。
「できそうか?」
問いかけながら藍を覗き込んで、目を見開く。彼女が耳まで真っ赤になっているからだ。
——野菜の皮剥きを褒められたくらいでバカバカしい。
咳払いをしてピーラーと人参を手渡した。
「やってみて」
「はい!」
張り切って彼女は人参にピーラーを当てるが、すぐに彬はストップをかけた。
「いや、違う。刃が逆だ」
「え? こう?」
「いや、そうじゃなくて……」
そもそも人参の持ち方も危なっかしい。このままではピーラーを使っていても怪我をしてしまいそうだ。
仕方なく彬は彼女の背後に周り後ろから抱え込むように彼女の両手に自分の手を添えた。
「左手はこう。しっかりと力を入れてピーラーを動かす」
言いながら彼女の手と一緒に動かす。何度かやったところで手を離した。
「できそうか?」
問いかけながら藍を覗き込んで、目を見開く。彼女が耳まで真っ赤になっているからだ。