藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
そこでようやく彬は、自分の行動が男女間に置いては接近しすぎであるということに気がついた。口で説明するよりも形をおしえた方が早いからそうしたのだが、考えてみれば彼女は女性。ひと言、断ってからにするべきだ。
「悪いっ!」
慌てて身を引くと、台の上に置いてあった空の鍋に手があたる。
ガッチャンガラガラと派手な音を立てて鍋は床に落ちた。
「だ、大丈夫ですか⁉︎」
「あ、ああ、も、もちろん」
——なにを慌ててるんだ俺は 落ち着け。
そもそも普段は慌てること自体ほとんどないのに、今日は想定外のことが起こりすぎだ。
「私が赤くなったからですよね。……すみません。私、男の人との接触がほとんどなかったので、びっくりしてしまったんです。だから気にしないでください」
「いや君が謝ることじゃ……。勝手に後ろから……俺が悪かった」
「いいえ、おかげでコツは掴めました。見ててくださいね」
そう言って彼女は気を取り直したように深呼吸を何回かする。今度はひとりでやりはじめた。こつが掴めたと言った通り、スムーズだ。
「わ〜! 私にもできる〜」
目を輝かせて嬉しそうに皮を剥き続ける彼女は、もう彬のことは目に入らないようだ。
一本目を剥き、二本目に取り掛かっている。
「悪いっ!」
慌てて身を引くと、台の上に置いてあった空の鍋に手があたる。
ガッチャンガラガラと派手な音を立てて鍋は床に落ちた。
「だ、大丈夫ですか⁉︎」
「あ、ああ、も、もちろん」
——なにを慌ててるんだ俺は 落ち着け。
そもそも普段は慌てること自体ほとんどないのに、今日は想定外のことが起こりすぎだ。
「私が赤くなったからですよね。……すみません。私、男の人との接触がほとんどなかったので、びっくりしてしまったんです。だから気にしないでください」
「いや君が謝ることじゃ……。勝手に後ろから……俺が悪かった」
「いいえ、おかげでコツは掴めました。見ててくださいね」
そう言って彼女は気を取り直したように深呼吸を何回かする。今度はひとりでやりはじめた。こつが掴めたと言った通り、スムーズだ。
「わ〜! 私にもできる〜」
目を輝かせて嬉しそうに皮を剥き続ける彼女は、もう彬のことは目に入らないようだ。
一本目を剥き、二本目に取り掛かっている。